住宅ローンの変動金利と固定金利、どちらが良い?

住宅購入の際に、多くの人が利用するのが住宅ローンです。

住宅ローンは大きく分けて変動金利と固定金利がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

最近はマイナス金利解除という、大きな金融政策転換があり、これは住宅ローン市場にも大きな影響をあたえます。

変動金利で住宅ローンを利用している人には、今後の返済額にも大きな影響を及ぼす可能性もあるので、注視する必要があります。

今回は、住宅ローンの変動金利と固定金利について解説していきます。

変動金利と固定金利

変動金利とは?

変動金利は、基準金利の変動に応じて金利が変動するタイプのローンです。

金融情勢の変化に伴って適用金利が上下するため、月々の支払額も変動します。

固定金利とは?

固定金利は、契約時に決まった金利が一定期間維持されるローンです。期間中の金利が変動しないため、返済額が安定しており、計画的な家計管理が可能になるというメリットがあります。

金利はどうやって決められるのか?

変動金利と固定金利では金利の決定方法が異なります。

変動金利は、「短期プライムレート」を基準に決められ、このレートは日銀の政策によって変更されます。

一方、固定金利は新たに発行される10年物国債の利回りを基準に決定されます。

この利回りは、その時の市場の需給関係により変動します。

日本では、短期プライムレートよりも10年物国債利回りの方が高くなっています。

変動金利と固定金利のメリット・デメリット

変動金利のメリット・デメリット

メリット

変動金利は短期プライムレートを基準に当初の適用金利が決まります。

現在の日本では、短期金利は長期金利よりも低いため、ローン開始時の金利が固定金利よりも低く設定されていることがほとんどです。

さらに、金利低下の恩恵を受けることも可能ですが、日本の金利情勢を考えるとこれ以上の金利低下は現実的ではないかも知れません。

デメリット

金利が上昇してきた際には、金利の見直しの時期にそれまで適用されていた金利よりも高くなる可能性があります。これは将来の金利負担の増加を意味しており、変動金利のデメリットとなります。

ただし、すぐに反映されるという訳ではなく、以下の2つのルールにより、急激な金利負担増は抑えることができるようになっています。

5年ルール

ローン金利が上昇した時に、毎月の返済額が増えるは5年後からというルールです。

これにより、金利が急に上昇しても、当面は負担増を抑えることができます。

125%ルール

金利上昇により毎月の返済額が増加する場合、増える額は1.25倍、つまり25%を上限とするルールです。こちらも急激な負担増を抑えるために設けられているルールではありますが、不足している分は先送りしているに過ぎない点には注意が必要です。

固定金利のメリット・デメリット

メリット

固定金利のメリットは、決められた期間内の金利が一定のため、金利が上昇してもローン金利の支払いに影響を与えることが無い点です。

これにより、ライフプランを立てやすくなり、金利支払い増加の心配がありません。

デメリット

デメリットは、金利が低下しても金利が固定されているため、低下の恩恵を受けることができないことです。ローン開始当初の金利がローン終了時または、借り換え時まで続くことになります。

どちらが良いのか?

独立行政法人住宅金融支援機構によると、住宅ローンを利用した人の70%以上が「変動金利」を選んでいます。

これは、未曽有の低金利によりローン金利が低下している上に、固定金利よりもさらに当初の金利負担を抑えることができるためでしょう。

低金利がいつまで続くか予想をすることは困難ですが、過去には変動金利を選んだ人がかなり多かったという調査結果になっています。

ただし、今後、「金利のつく世界」になって行くことが確実視され、金利負担の増加も想定しながら、ご自身のライフプランや収入の状況を見てどちらのタイプを選ぶかを慎重に判断する必要があります。

住宅ローン選びに100点満点は無いと言われています。

専門家やFPなどに相談してから決めることも一案でしょう。

FPドットコムでも住宅ローンについてのご相談をはじめ、ライフプランの見直しなどもお受けしています。しかるべき専門家の紹介もしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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