アメリカドルとは?

アメリカドルは、世界で最も影響力のある通貨の1つで、国際取引や金融市場で最も広く使用されています。

アメリカドルの価値と安定性は、世界経済に大きな影響を及ぼしています。

アメリカドルの歴史

1792年にアメリカ合衆国で正式に通貨として制定されました。

その後、1944年のブレトンウッズ体制により、ドルが金本位制の基軸通貨となりましたが、1971年に金兌換停止により、ドルの変動相場制に移行しました。

その後、強い地位を保ちながら、世界の主要通貨の中で最も広く流通し、最も多く保有されています。

為替取引の中心

アメリカドルは、為替取引の中心となっています。

国際取引の多くがドル建てで行われるため、ドルが主要な決済通貨として利用されています。

この状況は、アメリカの経済規模と政治的影響力により支えられているとも言えます。

基軸通貨としての地位

アメリカドルは、世界の基軸通貨として扱われています。

アメリカ経済の規模と影響力、金融市場の大きさと流動性の高さによるところが理由としてあげられます。

そのため、多くの国が外貨準備としてドルを保有しており、現時点でドルの地位は基軸通貨としてふさわしいものとなっています。

他通貨に代替されない理由

過去には、ユーロの誕生がアメリカドルにとってかわる時代が来るかもしれない、または中国の人民元がその地位を脅かすかもしれないなど、アメリカドルにとってかわる存在となることも言われた時期もありました。

しかし、現時点アメリカドルは基軸通貨であり続け、国際取引の中心であることに変わりはありません。その理由としては以下の理由が挙げられます。

経済規模

アメリカは世界最大の経済大国であり、その経済力がドルの地位を支えています。

国際取引におけるアメリカドルの使用比率は非常に高く、国際通貨基金(IMF)などの国際金融統計によると、国際貿易におけるドル決済の割合は、全体の70%以上とされています。

さらに、為替市場での取引においても、アメリカドルは最も取引される通貨で、国際決済銀行(BIS)によると、全外国為替市場取引の約80%以上がアメリカドルを含んでいます。

このように、アメリカドルの役割は国際貿易や金融市場において中心的で、その使用率は非常に高いものとなっています。

金融市場の大きさ

アメリカの金融市場、特に証券取引市場は世界最大規模であり、これもドルの流動性を高めている理由に挙げられます。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQは、世界最大級の証券取引所であり、これらの証券取引所の取引額は、世界全体の証券取引の50%近くを占めているとされています。

この数字はアメリカの経済規模と市場の成熟度を反映していて、国際的な投資家にとってアメリカ市場は非常に魅力的であるのです。

アメリカドルを保有する、利用する利点とは?

信頼性

アメリカ経済の安定と政治的影響力によりドルの信頼性は高く、中でもアメリカドル建ての金融資産、特に米国債は信用力が最も高い資産とされています。

流動性

金融市場における高い流動性が、ドルの利点の1つとなっています。

決済手段

多くの国際取引でドルが決済通貨として使用されるため利便性が高く、新興国などでは自国通貨よりもアメリカドルでの決済を好む傾向が強いこともあります。

投資対象

米国債をはじめ、債券市場・株式市場など、アメリカドルで決済される投資対象は、世界の投資家から好まれています。

地政学リスクなどが表面化した際に、こぞってアメリカドルを買う現象、「有事のドル買い」などでもそれが証明されています。

まとめ

個人投資家の間では、高金利通貨のひとつとして投資対象とみている層が多いのも事実で、さらには新NISAによって、若年層の投資家は米国株式への投資を重視しているため、アメリカドル建ての資産を保有する人が増えています。

これは、アメリカの金利情勢や成長性への期待からくるもので、今後もこの傾向は続くと思われます。

最後になってしまってますが、アメリカドルを保有することは為替リスクを伴いますので、投資対象・資産の分散の際にも、過度な偏りは避けて、自分自身の資産状況やリスク許容度をよく理解して、アメリカドルを保有することの是非を検討してみてください。

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