ライフプランを立てる時には必ずお金のことが付きまといます。
言い換えれば、人生におけるさまざまなイベントには、必要に応じてお金がかかります。
結婚や出産、子供の成長に伴う教育費、いざという時ための貯蓄、そして老後資金などに備えた資産形成などです。
人によってライフプランは様々ですが、イベントごとに必要な金額も異なります。
「いつまでにどのくらいのお金が必要になるのか?」などのマネープランを立てて、日々の生活を送る必要がありますが、「どれから始めていいかわからない」という方も少なくないと思います。
まずは、ライフプランを立てるにあたり、キーワードごとに簡単に説明していきます。
住宅ローン
住宅ローンを知らない方はいないかと思いますが、 家を買う時に金融機関などから借り入れるローンのことです。
住宅購入は、人生で一番大きな買い物と言われていて、簡単に買えるものではありません。
多くのケースで、何千万円という巨額の資金が必要になります。
しかし、住宅ローンの相談は、銀行などの金融機関以外でもできるとういことを存知でしょうか?
銀行では、物件に応じてどれくらいの頭金を用意して、所定の金利を加味した融資額を計算してくれます。
当然ながら、返済できる範囲内での融資額となります。
しかし、住宅ローンに関して一番大事なことは、家計の見直しなどです。
当然、大きな借り入れをするので、それなりの対策や節約もされているケースも多いと思いますが、家計には削減できる固定費が多いケースもあります。
金融機関では家計の見直しなどの相談は受けてくれることはありません。
あるとすれば、融資を受ける前までに、キャッシングやリボ払いの残高を精算しないと審査に通りにくい、などの助言くらいでしょう。
家計の見直しについては、FPなどの専門家に相談することが一番の近道になると思います。
教育資金
お子さんが大きくなるにつれ、さまざまなお金が必要になります。
最近は、幼稚園から大学まで私立でというコースを希望される親御さんも増えてきているそうですが、そうなればなおさらお金の心配が出てきます。
教育資金は、子どもの成長とともに必ず必要になります。
中学校までは公立で、高校や大学は私学でと考えるご家庭にとっては、教育費が子育ての後半に集中することになります。
幼稚園などから私学に通わせるご家庭よりもゆっくりと教育資金の準備はできそうですが、住宅購入などのイベントも併せて発生する可能性もあるので、ここでも必要なのが「家計の見直し」になります。
また、教育資金作りも最近では、資産運用をしながら準備することも広がりつつあります。
資産運用は長期間にわたって取り組むことでもあるので、お子さんが高校や大学に入るまでを考えると、早めに取り掛かることが望ましいと言えます。
市場環境によっては思ったような成果を得られないことも考えられるので、ご自身に見合ったリスク許容度で資産運用に臨む必要があります。
老後資金
最近は長生きに関連するキーワードもお金に関わるものが増えてきています。
数年前によく目にした、「老後2000万円問題」などはその象徴でしょう。
「人生100年」時代と言われる昨今では、それなりの資金を用意しておかないといけないことになりますが、公的年金の受給額が増えることは考えにくいです。
国もそれを大きな声では言いませんが、そうなるとどうやって対策するかと言うと、早い段階からの資産形成が重要になります。
つまり、誰にでもやってくる老後に備えて、年金制度をあてにするのではなく、自助努力で何とかしなければならない時代に入ってきているということです。
では、どのようにすれば、ゆとりある老後生活を迎えられるか。
まずは、自分の現在の状況を把握して、今からできることを検討していくことから始めるべきでしょうか。
そのために利用すべき制度が、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)です。
この2つの制度は、税制面でさまざまな優遇がされており、資産形成をする上ではまず第一に選択肢に入れるべきでしょう。
どちらの制度を優先するか?
どのように運用していくか?
これらの問題については、FPなどの専門家に相談してしっかりとした計画をもとに取り組むことをお勧めします。
貯蓄
貯蓄に関しては、漠然とコツコツと貯めるイメージを持っている人が多いと思います。
いざと言う時のための備えというのが一番の目的でしょうが、その「いざと言う時」以外にも、お金は定期的に出ていきます。
今は国が貯蓄から投資へということをサポートしてくれている時代です。
これは、国が資金援助をしてくれるというようなことではなく、先述の通りNISAやイデコなどの制度を通じて、資産が増えた際に税制優遇してくれているということです。
コツコツ貯める以外にも、すぐに使わないお金に働いてもらって、将来の資産形成を促すということを意味しています。
貯蓄をすることは非常に大事なことですが、いろんな選択肢も検討しながらバランスよく、お金をためていくようにすることが重要になります。
保険
ここでいう保険は、生命保険のことになります。
「貯蓄=保険」というイメージが定着していた時代もありました。
しかしながら、超低金利時代が20年近く続く世の中では、保険を使った貯蓄は効率が良くないことも指摘されてきていました。
そこで、最近販売シェアを伸ばしている保険が、資産運用しながら成果に応じてお金を受け取るタイプの保険です。
投資信託で運用する「変額保険」や、外貨で運用する「外貨建て保険」などがその代表格になります。
これらは、どちらも円建てでの元本の保証がない保険となり、気軽に契約するものではありませんが、保険を活用した貯蓄や資産形成には欠かせない存在でもあります。
保険は長期間資金を保険会社に預けるため、物価の上昇には対応しづらい特徴があります。
変額保険は、株式資産を組み入れることにより、物価上昇に対する抵抗力を持つことになり、いわゆる「インフレヘッジ」が可能になります。
ただし、株式市場が低迷している際には、思ったような成果が得られないばかりか、元本が欠損することもあり得るので、投資性が強い金融商品の一面もあることを十分に理解して加入することをお勧めします。
まとめ ~家計の相談~
ライフプランをはじめ、先述のすべての事項に通じるのが、「家計の見直し」になります。
この家計の見直しに関して相談できる相手は、FPなどの専門家になりますが、意外にもこの作業は軽視されています。
実際には、夫婦共働きで収入が安定しているので大丈夫と考えているご家庭ほど、家計の状態が良くないことは多いです。
実は、この家計の相談をして、家計を見直すことがすべての始まりと言えます。
家計の見直しは、無理なく無駄を省くことが基本になりますが、自分の家庭の全てをさらけ出すようで、相談するのに抵抗があるという人が多いようです。
しかしながら、
夢のマイホームに住みたい
子どもに好きな進路を歩ませたい
老後はゆとりのある生活をしたい
など、すべてのイベントにはお金がかかり、そのイベントを乗り越えていくためには家計の無駄をなくしながら一歩ずつ進んでいかないといけません。
そのために、まずはFPなどの専門家に相談して、ご自身の家庭に無駄がないか、見直すべきことはないかを見つけて下さい。
問題が明確になれば対応もしやすくなります。
是非、一度ご家庭で家計について話し合う時間を設けてみてください。
FPドットコムでも、家計の見直しなどについての相談をお受けして、専門家と一緒に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。