テーマ型投信は特定のテーマや分野に投資するファンド(投資信託)です。
将来の成長せに期待したり、特定の投資家に関心を持ってもらえそうな分野に焦点を当てることで、中長期的な成長を見込んで設定されます。
過去にも様々なテーマが登場し、投資家の選択肢が広がっていますが、テーマ型投信特有のリスクもあります。
今回は、テーマ型投信について簡潔に説明していきます。
テーマ型投信の種類
テーマ型投信は、いわゆる流行のモノから今後急成長を遂げることを期待させる分野の企業に集中的に投資します。
代表的なテーマは、AI、FinTech(フィンテック)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、eコマース、ロボット開発、宇宙開発、医療・ヘルスケア(健康)、環境・エネルギー、インフラ、ライフスタイルなど、かなりの数があります。
これらの分野に投資するファンドは、業種別に投資するファンドよりも横断的に選んだ企業を組み込んでいる傾向があります。
例として、以下のような活動に取り組む企業がファンドに組み込まれます。
医療・ヘルスケア:高齢化社会において利益を上げる企業
テクノロジー:AI、FinTech、IoTなど、先端技術を駆使して製品を製造したりサービスを提供する企業
環境・エネルギー:再生エネルギーや、CO2削減に積極的に取り組んでいる企業
テクノロジーや環境問題対策に積極的に取り組む企業であれば、「テクノロジー」系のファンドと「環境・エネルギー」系のファンドに同時に組み込まれたりすることも珍しくありません。
したがって、どのファンドの組み入れ上位銘柄は同じような企業が顔を並べているのが現状です。
テーマ型投信の問題点とは?
変動リスクが高く、動きが同じようになる
特定の分野に集中しているため、そのテーマに関連する市場の変動に大きく影響されます。
そして、先述の通り、特定の銘柄が各テーマのファンドに横断的に組み入れられることにより、テーマが異なっているのに同じような動きをすることも少なくありません。
コストが割高な場合がある
各テーマや、投資対象になる企業の調査に労力がかかり、かつ運用プロセスも複雑になることもあるため、他のファンドよりも信託報酬が高くなることがあります。
流行が終わると下落傾向になりやすい
一時期、注目を集めたテーマであっても、流行が終わってしまえば投資家の関心も薄れてしまい、解約が続くこともあります。
そうなると、ファンドの価格が下落基調になることもあります。
テーマ型投信は長期投資に向いているか?
再生可能エネルギーやデジタルトランスフォーメーションといった、持続可能で成長が見込まれる分野であれば、長期的なリターンが期待できるかもしれません。
ただし、特定の分野に集中投資しているため、カテゴリー特有のリスクを見極める事も重要になります。
過去にも多くのテーマ型投信が設定されていますが、長期的な視点では、TOPIXやS&P500といった指数に連動するインデックスファンドよりもパフォーマンスが低い傾向があることも認識しておくべきでしょう。
つまり、テーマの流行廃りにより、大きな浮き沈みがあること、また、資金が他のファンドに逃げてしまうことから、市場環境によっては換金売りなどの要因でファンドの価格が下落することもあるため、インデックス投資と比較してみると、コスト・パフォーマンスの面でも長期投資には向いていないともいえるかも知れません。
まとめ
ファンドによっては短期・中期的に素晴らしい成果をもたらすファンドがあることも事実です。
ただし、先述の通り、さまざまなリスク要因もはらんでいますので、テーマ型投信をご自身のポートフォリオに組み込む際には、資産全体のうち一定比率に抑えて投資することをお勧めします。
つまり、分散投資の一環として考えるべきでしょう。
FPドットコムでは、資産運用・資産形成に関するご相談もお受けしていますので、テーマ型投信に限らず、資産運用・資産形成にご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。